茨城県と聞くと、皆様何を思い出されるでしょうか。何となくマイナーなイメージを持つ方も多いかと思います。毎年発表される都道府県魅力度ランキングでは、残念ながら常に最下位あたりに位置付けられており、地味な印象を持たれていることがわかります。
そもそも読み方からして、いばらギと読む人も多いですが、正しくはいばらキであり、県名ですら正確に読んでもらえない県です。少々理不尽な気もしますが、近隣の東京都や千葉県、埼玉県と比較してしまうと、知名度は低いのが実情でしょう。
しかしながら実際には、決して上記のようなマイナス要素ばかりではなく、各所に人々を惹き付ける観光地がたくさんあります。筑波山は東京都心から距離も近く、気軽に山を楽しめる名勝地です。中央部東岸にある大洗海岸は、遠浅で海水浴に適しています。
また、名産品も多々発出されていて、水戸では納豆が有名ですし、さつまいもからつくる干し芋もよく買われています。冬の名物としてはあんこう鍋がありますし、意外なところではメロンの産地となっています。 豊富な原材料から生み出される各種お土産も多岐に渡り、旅行された際は、どれにしようか迷うぐらいです。本記事では、まだまだ誤解されていない茨城県につき、最新版と称して、お土産に最適な商品をご紹介してまいります。ぜひ最後までご覧ください。
ライター(PECO4EVER)について
「週に1度は小旅行、月に1度はちょっと遠くへ。」をモットーに、日本を中心に全国を旅することが趣味です。47都道府県の旅行を達成したことをきっかけに、次なるステージを目指すため、全国の光るものを読者の方に届けてゆきます。
お土産選びのポイント
具体的なお土産のご紹介に入る前に、どのような観点で選べばいいのか、留意点をいくつか解説致します。おそらく皆様におかれましては、当たり前のように考えられ得る内容ではありますが、改めて内容をご確認いただき、選ぶ際のご参考にしてください。
事前に下調べをしたり、観光中にお店に立ち寄ったりして、時間を使って購入するお土産です。せっかくあげるのですから、喜ぶ相手の笑顔が見たいところです。基本的な事項は押さえておくことに越したことはありません。 渡す先の趣向、健康状態などの状況、すぐに渡したり送ったりできるかどうか、そして対象となる人数はどれぐらいか、といったことを、お土産を買う前に確認してくことをお勧めします。もちろん、考え過ぎは、旅行中も頭の中がそれでいっぱいになってしまうので、ほどほどにしておきましょう。
渡す相手の好みを知ろう
まずは単純なところからのご説明となります。お土産を渡す相手の好みを知ることは、準備、用意する大前提です。労を費やして何らかの商品を買っても、お相手に取って迷惑となってしまったり、趣味に合わなかったりすれば、お互いに不幸です。
食べ物であれば、辛いものが苦手、野菜嫌い、食べることには無頓着、といったネガティブな傾向もありますし、甘いものには目がない、というポジティブで積極的な好みもあります。お土産を選ぶ際には、相手の好みについて熟慮してから購入しましょう。 職場の人であったり、普段はあまり顔を合わせない親戚筋だったりした場合は、定番どころのお土産がよいかもしれません。結果的に先方の好みには合致し切らない可能性もありますが、大外れという事態も防げるかと思われます。
相手の状況に応じて選ぼう
健康診断で芳しくない結果が出て、糖分を控えている人には、甘いお菓子は不適です。好きであっても何らかの事情でお酒を控えている人に、日本酒や焼酎をあげるわけにもいかないきません。
一人暮らしの人に、大量の食べ物を渡しても、余らせて無駄にしてしまうかもしれません。捨てるようなことになってしまっては、勿体なさという意味で、もらった人は後ろめたいですし、あげた人は全部食べてくれなかった、という寂しさを感じることもあり得ます。 経済観念も大切です。よかれと思って高価なお土産を選んでも、手にした相手が恐縮してしまう恐れもあります。次の自分の旅行で、お金に余裕がないにもかかわらず、同程度のお値段の商品を、無理をして買ってしまうような、強迫観念に駆られる怖さも生じます。
日持ちする期間を確認しよう
旅先から帰宅して、すぐに会えるような人であれば、どれぐらい日持ちするかはあまり気になりません。しかし、当分渡す機会もなく、しばらく自宅にお土産を保管しておくようなケースでは、当然賞味期限、消費期限には留意しなければなりません。
相手が喜ぶ姿を見たくて買い求めたお土産でも、日持ちの問題で渡すことができなかったら非常に残念です。相手先の手元に届くタイミングに気をつけましょう。食べ物でなければ期限はありませんが、かといってあまりにも間が空いてしまっては気が削がれます。 賞味期限が短いけれど、しばらくは手渡しできるチャンスがなさそう、でもどうしても日持ちしないお土産を渡したい、ということであれば、旅行先から直送してしまうのもありです。ものによっては冷凍できるかもしれません。いずれもお店の人に相談しましょう。
渡す先の人数を把握しよう
職場の同僚向けだったり、不特定多数の友人に渡したりする場合は、数量の把握が重要です。同時に配布する際に、数が不足していたら、不公平感が湧いてしまいますし、あげるほうももらうほうも、何となく気まずくなってしまいます。
また、大きな一塊のような形状のお土産も、人数が多い時には避けるべきです。切ったりする手間もありますし、冷やさなければならないものだと、大き過ぎて冷蔵庫に入らないかもしれません。個包装状になっているお土産を選択したほうが無難です。 逆に、一人二人だけに渡すのに、何十個も入っているようなお菓子を大量にあげるのも考え物です。相手の家族などに再配布することが想定されていれば、もちろん問題ありませんが、いずれにしても、お土産が渡る人の数を知っておくことが大切です。
茨城県のお土産13選
前項では、お土産を選ぶ際のポイントについて、複数の観点から解説致しました。いわれなくてもそれぐらいは考えている、という声が多く聞こえてきそうですが、旅行先でハイテンションになってしまうと、意外と失念してしまうものです。
本項では、具体的なお土産を、多様な種類の中からご紹介してまいります。味の好みから、大多数向けに適しているものなど、用途別に広い選択肢が用意されています。気をつけるべき点を念頭に置きながら、ご参照いただければと思います。 茨城県は南北に長い形をしており、北と南では様相が異なります。特産物や地の物も、地域によって異なりますので、県内だけでもバリエーション豊富なお土産が揃っています。皆様の商品選びのお役に立てば幸いです。
お菓子のきくち「ほっしぃ~も」
最初にご紹介するのは、茨城県内各所に十一の店舗を構える、お菓子のきくちによる名菓「ほっしぃ~も」です。県内の中部東岸、ひたちなかで生産されている干し芋を加工し、パイ生地で香ばしく包み焼きした一品となっています。
同店では、当該商品は発売当初から絶大な人気を誇っています。干し芋の中でも玉豊と呼ばれるものに拘り、厳選されたお芋からつくり出されるパイは、子どもからお年寄りまで、幅広い層に支持されています。 お買い求めは、お菓子のきくち各店舗にて可能です。なお、食物繊維が豊富で脂肪が少なく、ヘルシーなスローフードとして認知度が上がっている干し芋は、茨城県が日本一の生産量を誇ります。
深作農園「メロンバウム」
メロンといえば、北海道あたりが思い出されるところですが、実は茨城県は生産量で日本一です。太平洋沿いの鉾田市に位置する深作農園は、六世代、百年以上続いており、日本農業賞大賞や、農林水産大臣賞の受賞経験を有しています。
同園は、メロン農家として地元では大変有名であり、丁寧に育成された果実は、とても美味しいと評判です。自家製メロンを惜しげもなく使い、バウムクーヘン状に仕上げたのが、お土産として人気を博しているメロンバウムです。 バウムクーヘン自体も自社で製造されており、深作農園の六代目当主が焼き上げています。メロン王子としてメディアに紹介されることもしばしばです。茨城県でのメロンを使った至極の一品、試す価値は間違いなくありそうです。
山西商店「おみたまプリン」
おみたま、という字を見ると、卵を連想される方もいらっしゃるかもしれませんが、市区町村の名前、小美玉市のことです。2005年に小川町、美野里町、玉里村が合併してできました。プリンという響きと合わせると、絶妙な語感が生まれる名称ですね。
おみたまプリンは、町おこしプロジェクトの一環で開発されました。卵や生乳など、地元産の高品質食材にこだわった贅沢な逸品です。若干お値段は張りますが、素材の味を活かした濃厚さと、なめらかな口当たりがクセになります。 2005年当初に販売が開始され、メディアに紹介されると、即完売したという逸話を持っています。伝説のプリンといっても過言ではありません。一時は品切れ、供給停止が発生しましたが、再販を求める声に応えて復活しました。買うなら今でしょう。
メーコウ「茨城名物なっとう味スナック」
茨城県の水戸と言えば納豆が名物ですが、名産を消費者が手にしやすい形にした典型のお菓子です。スナック感覚で食べられますので、価格的にもリーズナブルですし、気軽なお土産として最適です。もちろん納豆は、味的に苦手な人もいるので留意を要します。
スナックとはいえ、使用しているのは、本物の納豆をフリーズドライ加工したパウダーです。納豆菌が含まれており、粘り気まで再現されています。健康志向の方にもオススメできる一品です。 納豆をベースとしていますが、味のバリエーションとして三種類用意されています。梅味、めんたい味、そしてからしマヨネーズ味です。個包装で一袋当たり12本入っていますので、学校や勤め先など、不特定多数の方に配るのにも適している、話のネタになる商品です。
幸田商店「べっ甲ほしいも」
他の商品では、干し芋を使ったスイーツをご紹介していますが、もちろん干し芋自体も立派なお土産に成り得ます。幸田商店は、ひたちなか市にある歴史ある農園で、県内で収穫された農産物を加工し、多種多様な商品を生み出しています。
製造にあたっては、いろいろな種類のお芋を使っており、好みの味が選べます。同社ウェブサイトでは、自分好みの干し芋診断コーナーが用意されており、楽しみながら商品選択ができるよう工夫されています。 さらに希少性の高い製品として、泉という品種を使ったべっ甲ほしいもが販売されています。生産と加工が難しい品種であり、幸田商店以外では入手が困難です。オンラインでも購入できますが、水戸駅にも直営店があるので、訪れてみてはいかがでしょうか。
洋風笠間菓子グリュイエール「笠間焼壺バーム」
見た目のインパクトと話題性を求める方には、笠間市にある洋菓子店グリュイエールの壺バームがおススメです。読んで字の如く、壺の形をしたバウムクーヘンなのですが、再現度が高く、思わず笑みを浮かべてしまうような斬新さが楽しめます。
笠間といえば、陶芸の街として有名です。笠間焼については、栃木県の益子焼と並び、関東で創出される陶器として名を馳せています。そんな笠間市に居を構える同洋菓子店では、和洋折衷の魅力的な商品が開発されています。 壺の印象を強くするため、焼き物の釉に見立てて、パティシエがチョコレートをかけて完成させています。単純なバウムクーヘンではなく、可能な限り陶芸の雰囲気を醸し出そうとするその努力は、大いなる地元愛が感じられるところです。
明利酒類「百年梅酒」
食べ物が続きましたので、このあたりで飲み物のご紹介です。百年梅酒は、原料に白加賀という品種の国産青梅のみを使ったお酒です。大きさや熟度を揃えた梅を漬込んでから、長い時間をかけて熟成させ、味と香りを整えるため、最後にブランデーとハチミツで仕上げています。
商品名には、末永く愛していただきたい、というメーカーの思いが込められています。ふわっとした梅の芳香が鼻腔をくすぐり、厚みのある味わいは、梅酒の王道を行くと評価されています。本物の梅酒を目指した集大成といえるでしょう。 百年梅酒は、2008年の大阪天満天神全国梅酒大会で優勝し、2013年の水戸梅祭り梅酒大会で黄門賞(第一位)、2014年茨城のおみやげコンテストで優秀賞を受賞するなど、数々の実績を残しています。お土産としての地位を確立している証左です。
運平堂本店「大みか饅頭」
昔からのお土産の定番中の定番、お饅頭はやはり外せません。日立市にある運平堂本店は、歴史ある老舗であり、数々の名菓を世に送り出しています。その豊富な商品群の中でも、特に大みか饅頭は、お土産を買い求める人たちの間で、人気を保ち続けています。
原料は、北海道十勝産の厳選された小豆です。丹念にさらした特製こし餡を、米粉を主とした生地で包み蒸し上げています。保存料などは一切使用せず、昔ながらの実直な味を守り続けている商品です。 自然素材のみを使用しているため、賞味期限は三日間ほどですが、それでもその美味しさは、お土産にするだけの価値があると評判です。多い日は一日当たり二万個も売れるとのことで、人気の高さがうかがえます。
志ち乃「栗どら」
どら焼き専門店志ち乃は、土浦市に本店を構え、茨城県内に計四店舗を擁しています。変わらぬこだわりに基づく製法と、お客様のために美味しいものを提供したい、という思いを抱きながら、創業70年を迎えました。
とはいえ、長い歴史の中で、商品開発の工夫は忘れていません。どら焼きの種類は現代の嗜好に合わせて増え続け、キウイ味やバニラ醤油味など、バラエティに富んでいます。各店舗限定の商品も多く、なかなか手に入りにくいところも、消費者の心を動かします。 多様な種類がある中でも、お土産として考えた際には、栗どらに帰結するでしょう。昭和57年に発売されて以来、不動の人気を誇る同店のロングセターです。栗の甘露煮を丸ごと一個はさんだ贅沢さ、大胆さは、その豪華さにより、贈答用として支持されています。
丸三老舗「はま栗もなか」
鹿嶋市の老舗、はま栗もなかは、商品名のハマグリという響きのまま、見た目は貝のはまぐりの形をしています。茨城県産の栗渋皮煮をふんだんに使った餡と、やわらかな求肥のコンビネーションを、かわいらしい貝殻で包み込んだ最中です。
丸三老舗の創業は、なんと文政五年、西暦1822年です。歴史に詳しい人でないと聞いたことがないような年号の時代から、和菓子への絶え間ぬ努力を積み重ね、長期に渡り愛されてきました。 個包装の最中がパッケージされているのは、箱ではなくネットであり、潮干狩りを連想させるところは、老舗であってもお洒落な心意気を忘れない姿が垣間見られます。鹿島神宮を参拝された際のお土産に好適です。
奥順「YUKI OKUJUN」
飲食物が続きましたので、このあたりでそれ以外のお土産もご紹介します。茨城県の中央部やや南に位置する結城市は、染物や織物で有名な街です。中でも結城紬は、県が誇る伝統的な絹織物となっています。
現代ではなかなか身に付ける機会がないものの、その技術はさまざまな場所で適用、応用されています。創業明治40年の奥順は、結城紬を普段の暮らしの中で使ってほしいと考え、YUKI OKUJUNブランドを立ち上げました。 ふんわりとした肌触りの素材を使い、ショールなどの製品に仕上げています。自分では日常的に買う機会はありませんが、結城という地場のお土産としてもらったら、きっと喜ばれることでしょう。
笠間焼協同組合「笠間焼」
先にも触れましたが、笠間は陶芸の街として、隣県栃木の益子と双璧をなしています。県のほぼ中央に位置する、なだらかな低山に囲まれた里山で、江戸時代の焼物が、笠間焼の由来とされています。
笠間市では、ろくろを回す陶芸体験なども盛んであり、自作の品を自分へのお土産とする人もいます。長い歴史の中で培われた陶器としての信頼性は大変高く、普段使いの食器から、値が張る大型の花瓶まで、ラインナップが豊富です。 協同組合に加盟している窯元、工房であれば、より商品への安心感が増しますので、お買い求めの際はお勧めです。リーズナブルなテーブルウェアであれば、お土産として好適であり、渡す相手も気軽に使えます。
オフィス710「ねば~る君グッズ」
最後にご紹介するのは、根強い人気の茨城県ご当地キャラクター、ねば~る君の関連グッズです。名産品である納豆をモチーフにした茶色い姿は、テレビなどで見かけたことがある方も多いかと思います。縦方向に伸びる様はコミカルで、人気である理由の一つです。
関連グッズもかなり充実しています。のびるマスコット、スポーツタオル、巾着から、トートバック、Tシャツ、文房具まで、豊富な品揃えです。特にお子さんへのお土産には最適ではないでしょうか。 ちなみにねば~る君は、なっとう、だけに、年齢710歳、身長710センチ、体重710グラムだそうです。そしてなんと、納豆の妖精というポジションです。商品そのものも笑いを誘いますが、話のネタとしても、十分魅力的なお土産となるでしょう。
お土産を買うべき場所のご紹介
前項では、いろいろなお土産をご紹介しました。ところで、実際に買うとなると、どこで買えるのでしょうか。当然のことながら、店舗を構えているお土産屋さんで購入可能ですが、遠かったり地理的に行きにくかったりした場合、他に選択肢はあるのでしょうか。
電車の旅であれば、やはり大きな駅の中でしょう。茨城県では、水戸駅にお土産屋さんが多々あります。老舗のアンテナショップが出店していることもあり、非常に便利です。乗り換えの合間など、時間を有効に使えることも、駅中利用のメリットです。 車であればサービスエリアです。最近は充実している施設が多く、一か所で県内のお土産がたくさん買えてしまうところもあります。県内では友部サービスエリアや、パサール守谷ああたりが有名です。万が一買い忘れた際のバックアップとしても有効ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。食べ物を中心に、茨城県のお土産をご紹介してまいりました。何かと地味だ、魅力がないなどといわれている同県ですが、ご覧の通り、魅力的なお土産がいっぱいです。
お土産がこれだけ多く発せられ、一つの産業として成り立っているということは、それだけ観光客が多く、人々を惹き付ける景勝地、訪れるべき場所がたくさんあることを意味します。ランキングからは見えない、神秘的な雰囲気を醸し出す県といえるかもしれません。 お土産そのものも大変魅力的ですが、旅先として、お土産購入を含めた旅の目的地として、茨城県をじっくりと検討してみることをご推奨します。本記事が、皆様のご旅行、ご観光の楽しさを増すための一助になれば幸いです。